速読のデメリットその2 依存
体力の消耗や目の疲労以外にも、速読法のデメリットは存在します。そのデメリットとは、依存です。依存とはどのような状態を指すのでしょう。
速読法がある程度身についてくると、本を読むペースが驚異的に上がります。そして頭の中に入ってくる活字を理解を理解する速度も格段にアップし、読書が楽しくて仕方ない状態になってくるのです。となると、本を読むのを止めるのが困難になります。最初は一日に読書に費やしていた時間が1時間だったとしたら、それが2時間、3時間と増加していく事に繋がる可能性は高くなるでしょう。その状態が、依存です。
では、この状態の何がデメリットと表現されてしまうのでしょうか。簡単な言い方をすれば、疲労や消耗、あるいは現実逃避の元にさえなり得るという事です。本を速く読むだけでなく、その内容を素早く理解できるようになる技術が速読法です。体力増強や疲労回復を早めるものではないのです。ですから、いくら速読できるようになったからと言って、一気に一日の読書の量や時間を増やしてしまうと、翌日にはすぐ大きな影響が現れるのです。それでもなお読書をやめずにいると、学業、仕事にまで悪影響を及ぼすことに違いないでしょう。寝不足、目のかすみや充血など、それこそあからさまに症状が現れてくるはずです。
また、読書は一時現実から離れ、物語の世界に浸るという一面も持ち合わせています。ここでは、まだ問題になる段階ではありません。ですが、本に過剰なまでに傾倒しすぎれば、現実に帰るのを拒絶し、本の世界の中だけで生きたいという感情さえも出てきます。それがいわゆる現実逃避という状態なのです。