速読と日本

現代の日本には、活字離れの大きな波が押し寄せています。この理由のいくつかは明確ですが、特に、携帯電話の普及などを筆頭に娯楽が多様化していることに理由があると言えます。

 

娯楽の選択肢といえば、1970年代までの日本では、外で友達と遊ぶか、家で友達と遊ぶか、一人で過ごすかの3択でした。この選択肢自体は、今もほとんど変わらず同じです。ただ、現代に比べて昔の方が、自由に使える土地が多かったこともあり、外で遊ぶという選択をしやすかったかも知れません。

 

しかし、逆に、家で友達と遊んだり、一人で過ごすという方法は、比べものにならないほど現代の方が多くなったのが事実です。また、80年代にテレビゲームが普及した事により、外で遊ぶ人の数は激減し、それと比例して読書をする人の数も減りました。ゲーム機の普及によって、一人で過ごす際の娯楽も、それまでの読書からゲームへと移行してしまったのです。

 

90年代に入って、さらに家庭用ゲーム機の普及が進むとともに、アミューズメントパークなどのゲームセンターも大きなブームを巻き起こしました。また、90年代の娯楽の中で大流行したのが音楽で、10代20代の若者たちの多くは、読書より音楽に娯楽を求めるようになったのです。

 

そして2000年代はどうでしょう。今度はインターネットと携帯電話の普及が進み、若者たちはさらに活字自体から離れていったのです。その結果、他の娯楽が、本を読むという習慣を押しつぶしてしまったのです。

 

そんな時代に、速読法というスキルを求める人が、果たしているのでしょうか?答えは、イエスです。むしろ、速読法に対しての需要は現代の方が高いと言えます。なぜならば、様々な面で応用が利くスキルが速読法だからなのです。