エッセイ、伝記などの速読法

速読法において、小説やエッセイといったタイプの本が最も苦労します。自身の経験や感想などを書き記した文章をエッセイといいます。この中に自伝も含まれます。また、伝記もこれに近いジャンルと言えます。

 

速読法にとって、なぜエッセイというジャンルが難しい部類に入るのかというと、基本的にエッセイが読者の興味本位で読まれるものだからです。簡単に言ってしまうと、没頭しやすいタイプの本だといえます。速読を行う上で、そのような本を対象とすると、やや難しい点が出てきます。

 

速読法というのは、ただ単に文を速く読むだけでなく、自分にプラスとなる部分を抜き出した上で、しっかりとその情報を把握するという点において、大幅に時間が短縮されます。ですが、エッセイに関してはどこか一箇所を抜き出すという作業が困難なため、なかなか短縮できる部分を見つけにくく、またついついゆっくり読んでしまうことが多いのです。どちらかというと、あまり速読向きではないかもしれません。

 

それでも効率よく読みたいという場合に重要なのが、選別です。本の中から重要な箇所を抜き出すのではなく、本そのものを選別するのです。そのエッセイに最後まで読む価値があるか否かを、流し読みの段階で判別する事によって、読書時間の効率が上がるのです。つまり勝負となるのは、自分に合っていないということに、どれだけ速く気付けるかという点ですね。

 

筆者の思想がストレートに現れているのがエッセイです。そこに共感できなければ、読み進めても苦痛にすら感じられるでしょう。ですから、本そのものの選別は、割と簡単にできます。