抽出作業
速読法において、特に専門書や論文などで必要なテクニックとして、抽出術があります。抽出術とは、自分に必要な箇所を判定し、その必要な部分を抽出して読む技術を言います。これは速読法における技術としてはかなり重要だといえます。
速読法というのは、決して読むスピードが全てなのではないのです。ここで大事なのは、自分の目的をどれだけ速く達成できるか、その本の中の自分に必要な部分を暴けるか、という点です。自分にとって一冊まるごとすべてが大事だといえるような本は、物語以外に、あまりありません。ましてや、資料の一環として捉えている場合、その本は情報の集合体でしかないので、全ての情報に目を向ける必要がないケースも数多く存在しますよね。そういう事を踏まえて、自分に必要な情報だけを抽出できれば、大幅な時間短縮に繋がります。これもまた、速読法のテクニックのひとつなのです。
抽出術は、内容を繋げていくという点がポイントです。ただ目次を見て、その中から必要な箇所を探すというだけなら、簡単ですよね。でも、これだけではその本をフルに利用できたとは言い切れないのです。目次で見つけた必要な項を読み、その中から必要なキーワードや一文を抽出し、他にもそれについてを述べているところがないか探していくという作業が、大事なのです。
抽出すべき箇所が、本の中の一箇所だけに固まっているとは限らないのです。題目だけでは判断不能な、非常に重要なパートが潜んでいる事もままあります。それを見抜く為に必要なのは、最初に目をつけた項からしっかりと重要な箇所を抽出した上で、そこに記されている別の重要パートを見つけるという作業です。素早くこれができるようになれば、だいぶ速読法が身についてきたと言えるでしょう。